趣味で絵本を作りたいと思っても、「何からはじめたらいいのか」、「どうやって作ったらいいのか」など、わからないことが多いです。
ぼく自身、大学生の頃には何からはじめていいのかわからず、絵本作りをあきらめてしまいました。
大人になって絵本の作り方を学んで、絵本を作れるようになりました。
絵本を作るためには、「お話を考える」、「絵を描く」、「製本する」といった作業が必要です。
本記事では、1冊の絵本を作るために必要な手順を紹介します。
- 趣味で絵本を作りたいと思っている人
- 絵本作りに興味がある人
- 絵本がすきな人
絵本を作りたいと思っても、はじめて絵本を作る場合は、「何からはじめたらいいのか」、「どうやって作ったらいいのか」など、わからないことが多いです。
ぼく自身も大学生の頃に絵本に興味を持って、自分でも絵本を作ってみたいと思いましたが、絵本の作り方がわかりませんでした。
大人になって、絵本の作り方を教えてもらうことで自分でも絵本を作れるようになり、今までに6冊の絵本を作りました。
作った絵本は、下記のページで無料で公開しています。
以降では、絵本の作り方を紹介していきます。
絵本作りは、次の6つのステップに分けることができます。
絵本のサイズとページ数を決めます。
絵本のストーリーと文章を考えます。
絵本のラフ、清書、色塗りをします。
絵本の絵に、文章を入れていきます。
絵本の表紙、扉、奥付けを作ります。
絵本を製本します。
それぞれのSTEPについて、詳しく説明していきます。
絵本作りの最初のステップは、「絵本の構成を考える」ことです。
絵本の構成で、決める必要があるのは次の2つです。
- 絵本のサイズ
- 絵本のページ数
絵本のサイズを決める
絵本のサイズ
絵本のサイズには、絵本を閉じたときのサイズと絵本を開いたときのサイズがあります。
絵本を開いた状態は、見開きとも呼びます。
絵本のサイズを決める際は、本を閉じたときのサイズの基準に決めていきます。
絵本のサイズの種類
絵本のサイズには、次の4つの種類があります。
- 縦長
縦の長さが長い - 横長
横の長さが長い - 正方形
縦と横の長さが同じ(もしくは近い) - 特殊な形
丸や三角などの特殊な形
種類によって、「どんな絵が描きやすいか」や「絵本の印象」が違ってきます。
絵本には決まったサイズがない
マンガや小説と違って、絵本には決まったサイズがありません。
絵本を作る人が自由にサイズを決めることができます。
いろんなサイズがあるのは、絵本の魅力の1つです。
絵本のサイズについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
【絵本情報】絵本ってどんなサイズ?~市販の絵本のサイズを調べてみた~
絵本のサイズを決める際のポイント
絵本のサイズを決める際のポイントは、次の3つです。
- 見開きでA3(A3ノビ)におさまるサイズにする
- 描きたい絵に合わせたサイズにする
- すきな絵本のサイズを参考にする
見開きでA3(A3ノビ)におさまるサイズにする
趣味で絵本を作る場合は、見開きでA3(A3ノビ)におさまるサイズにするのがおすすめです。
家庭用のプリンターや印刷屋さんでは、「A3(297mm × 420mm)」や「A3ノビ(329mm × 483mm)」というサイズまで印刷可能なところが多く、それ以上のサイズは印刷できないことが多いです。
もし、見開きでA3(A3ノビ)よりも大きい絵本を作ると、製本が難しくなってしまいます。
描きたい絵にあわせたサイズにする
描きたい絵にあわせてサイズを決めることも大切です。
空のように縦の広がりを表現したい場合は、「縦長」がおすすめです。
地面を移動するように、横に移動している状態を表現したい場合は、「横長」がおすすめです。
すきな絵本のサイズを参考にする
はじめて絵本を作る場合は、どんなサイズがいいか迷ってしまうことも多いです。
そんなときは、すきな絵本のサイズを参考にするのがおすすめです。
すきな絵本のサイズを参考にすることで、よりイメージに近い絵本を作ることができます。
絵本のページ数を決める
絵本のページ数
絵本のページ数は、扉+本文+奥付けを合わせたページ数です。
扉と奥付けはそれぞれ1ページの場合が多いため、絵本のページ数は本文のページ数で決まります。
たとえば、32ページの絵本の場合は、「扉(1ページ)+本文(30ページ)+奥付け(1ページ) = 32ページ」となります。
絵本の見開き
絵本のページ数を見開きで数えることもあります。
2ページ = 1見開きで、見開きとして数えるのは本文のみです。
たとえば、15見開きの絵本の場合は、「扉(1ページ)+本文(15見開き)+奥付け(1ページ) = 32ページ」となります。
絵本のページ数を決める際のポイント
ページ数を決める際のポイントは、次のとおりです。
- 32ページ(15見開き)、もしくは 24ページ(11見開き)にする
32ページ(15見開き)、もしくは 24ページ(11見開き)にする
趣味で絵本を作る場合、32ページ(15見開き)、もしくは 24ページ(11見開き)で作るのがおすすめです。
絵本のコンクールによっては、ページ数が指定されている場合があります。
絵本が完成してコンクールに応募したいと思った場合、32ページや24ページ以外だと応募できない場合があります。
絵本のコンクールについては、下記の記事で紹介しています。
2つ目のSTEPは、「絵本のお話を考える」ことです。
絵本のお話で、考える必要があるのは次の2つです。
- 絵本のストーリー
- 絵本の文章
絵本のストーリーを考える
絵本のストーリー
絵本のストーリーは、「桃太郎が仲間と一緒に鬼退治に行く」といったような絵本の内容です。
絵本作りにおいて、ストーリーはとても大切です。
どんなに絵がうまくても、ストーリーがつまらないとおもしろい絵本にはなりません。
絵本のストーリーを考える際のポイント
絵本のストーリーを考える際のポイントは、次の3つです。
- 自分がおもしろいと思えるストーリーにする
- 考えすぎない
- 自分の体験や感じたことをお話にする
自分がおもしろいと思えるストーリーにする
1つ目のポイントは、自分がおもしろいと思うストーリーにすることです。
ストーリーは、絵本の土台となる部分です。
自分がおもしろいと思えるお話でないと、絵本作りの途中で嫌になってやめてしまうことがあります。
自分自身がおもしろいと思えるお話を考えることができれば、最後までモチベーションを保ったまま絵本作りを進めることができます。
考えすぎない
2つ目のポイントは、考えすぎないことです。
ストーリーを考えることは、絵本作りにおいて大切な作業ですが、考えすぎてしまって先に進めないということがあります。
特に、はじめて絵本を作る場合は、「どんなお話にしたらいいのか考えているうちに時間が過ぎてしまう」ことが多いです。
ある程度、おもしろいと思うストーリーができれば、次の作業に進むことも大切です。
自分の体験や感じたことをお話にする
3つ目のポイントは、自分の体験や感じたことをお話にするです。
自分が体験や感じたことをもとにお話を作ることで、他の人にはかけない自分ならではの絵本が作れます。
また、自分の体験をもとにする場合は、一からお話を考えなくても良いので、お話を作りやすいというメリットもあります。
絵本の文章を考える
絵本の文章
絵本の文章は、絵本のストーリーを文字にしたものです。
「状況を説明する言葉」 や 「キャラクタのセリフ」を文字にしていきます。
絵本の文章を考える際のポイント
文章を考える際のポイントは、次のとおりです。
- 見開きごとに、文章を分ける
- 絵本全体のストーリーを文章で表現できるようにする
見開きごとに、文章を分ける
文章を作成する際は、見開き(ページ)ごとに文章を分けて作ることがおすすめです。
15見開きの場合は、1〜15見開きのそれぞれの文章を作成します。
見開きごとに文章を作成することで、それぞれの見開きでどのような絵を描くのかイメージしやすくなります。
絵本全体のストーリーを文章で表現できるようにする
絵本は、「絵」と「文章」がセットになっている本です。
「絵」が大切なのはもちろんですが、それと同じように「文章」も大切です。
文章によって、読者の受け取る印象も変わってくるためです。
絵を描いた後に絵にあわせて文章も修正するため、この段階では文章を完璧にするよりも、絵本全体のストーリーを文章化できていることを重視します。
3つ目のステップは、「絵本の絵を描く」ことです。
絵本の絵を描く作業は、次の3つに分けることができます。
- ラフを描く
- 清書する
- 色を塗る
絵本の絵を描く
ラフを描く
「ラフ」は絵の下書きのことです。
絵本の絵を描く際に、いきなり完璧な絵を描こうとするのは難しいです。
まずは、ある程度大雑把な絵でもいいので、それぞれのシーンがイメージできるようなラフを描いていきます。
清書する
ラフが描けたら、清書していきます。
清書は、ラフで描いた絵をきれいにしていく作業です。
清書の際は各ページの絵を見比べて、ページによって「キャラクタ」や「絵のクオリティ」に差がないかも気をつけます。
色を塗る
清書ができたら、色を塗ります。
色を塗り終えると、絵本の絵が完成します。
絵本の絵を描く際のポイント
絵本の絵を描く際のポイントは、2つあります。
- 文字を入れるスペースを空けて絵を描く
- 同じ構図にならないように意識する
文字を入れるスペースを空けて絵を描く
絵本の絵は、文章と組みあわせて完成します。
絵を描く際に、あらかじめ文字を入れるスペースを空けておく必要があります。
たとえば、下の絵の場合は、右上のスペースに文字を入れるため、絵を描く段階で右上のスペースは空けています。
後から、右上のスペースに文章を入れます。
絵を描くことばかりに集中していると、「絵が完成したあとに文章を入れるスペースがなくなってしまった」ということもあります。
絵を描く際に、各ページのどこに文字を配置するかを意識することが大切です。
ページごとに構図を意識して描く
絵本は1枚の絵ではなく、1冊分(15見開きの場合は15枚)の絵が1つのまとまりです。
構図を意識せずに描くと、つい同じ構図ばかりになってしまうことも多いです。
同じ構図ばかりだと単調になってしまい、おもしろさが少ない絵本になってしまいます。
ページごとに、できるだけ違った構図で描くことで、より魅力的な絵本になります。
ラフを描き終わった段階で、全ページ並べて見直すのがおすすめです。
デジタルお絵描きツール
絵本の絵を描く場合は、「デジタルお絵描きツール」を使うのが便利です。
「ラフ」や「清書」では何度も書き直したり、一部分だけ修正したりすることが多いです。
紙に描いた場合は消しゴムで消したり、はじめから書き直したりする必要がありますが、デジタルお絵描きツールを使うとかんたんに修正を行なうことができます。
デジタルお絵描きツールについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
4つ目のステップは、「絵本のお話と絵を組み合わせる」ことです。
お話と絵が完成したら、それらを組み合わせます。
完成した絵に、イラストツール等を使って文章を入れていきます。
お話と絵を組み合わせると、下記のようなイメージになります。
絵本のお話と絵を組み合わせる際のポイント
絵本のお話と絵を組み合わせる際のポイントは、下記のとおりです。
- ある程度、まわりに余白を残す
- 文章を調整する
ある程度、まわりに余白を残す
絵に文章を入れる際は、ギリギリまで詰め込むのではなく、ある程度余白を残して入れることが大切です。
絵の端の方にまで文字を入れてしまうと、製本の段階で文字が切れてしまうことがあるためです。
文章を調整する
文章と絵を組み合わせる段階で、文章の調整も行います。
絵と組み合わせた際に、不要な文章を削ったり、足りない文章を追加したりします。
絵本は小説とは異なり、絵を見ることである程度お話がわかります。
文章ですべて説明してしまうと、文章が長くなってしまい、読みにくい絵本になってしまうことがあります。
文章が多くなりすぎないように注意します。
お話と絵を組み合わせる方法
お話と絵を組み合わせるには、一度パソコン上に絵を取り込む必要があります。
紙に絵を描いた場合は、スキャナを使って絵をパソコンに取り込みます。
おすすめのスキャナや、絵本の絵に文章を入れる方法については、下記の記事で詳しく紹介しています。
【パソコンで編集するために必要】紙に描いた絵をデジタルデータに変換する方法
5つ目のステップは、「絵本の表紙・扉・奥付けを作る」ことです。
絵本の本文が完成したら、「表紙」、「扉」、「奥付け」を作っていきます。
「表紙」、「扉」、「奥付け」は、絵本のストーリーには直接関係しない部分ですが、絵本の大切な要素です。
絵本の表紙を作る
絵本の表紙は、本文のサイズよりも少し大きめのサイズで作ります。
絵本の扉を作る
絵本の扉は、本文に入る前の導入部分となるような絵を描くことが多いです。
絵本の奥付け
絵本の奥付けは、おまけとなるような絵を描きます。
絵本の表紙・扉・奥付けを作る際のポイント
表紙・扉・奥付けを作る際のポイントは、次のとおりです。
- もうちょっとで完成なので、手を抜かない
もうちょっとで完成なので、手を抜かない
1冊の絵本を完成させるのは、大変な作業です。
本文を描いた段階で、力尽きそうになったりもします。
本文が完成したら、完成は目の前です。
より良い絵本にするために、最後まで手を抜かないことが大切です。
最後のステップは、「絵本を製本する」ことです。
製本は、作った絵本を印刷して本の形にする作業です。
絵本の製本の手順
製本の手順は、次のとおりです。
- 絵を印刷する
- 絵本のサイズにあわせて、印刷した紙を切る
- 各ページをのりやテープを使ってくっつける
- 表紙を作る(イラストボード等を使う)
- 表紙と本体をくっつける
この作業をすべて自分ひとりでやろうと思うと、かなり大変です。
絵本を製本する際のポイント
絵本を製本する際のポイントは、次のとおりです。
- ネットプリントのサービスを使うと楽に製本できる
ネットプリントのサービスを使うと楽に製本できる
自分で絵本を製本するのは大変で時間もかかります。
ネットプリントのサービスを使うと、手間をかけずにきれいに製本できます。
個人的におすすめなのは、「しまうまプリント」というサービスです。
- 1冊からでも製本が可能
- ネットのみで、製本が可能
しまうまプリントは、1冊からでも製本することができます。
また、ネットのみで製本から発送までの手続きができるため、お店に行くことなく絵本を製本することができます。
ぼく自身も、自作絵本はしまうまプリントを使って製本しました。
しまうまプリントを使って絵本を製本する方法については、下記の記事で詳しく紹介しています。
趣味で絵本を作ったあとは、作った絵本を出版したいと思うこともあります。
絵本を出版するには、次の2つの方法があります。
- コンクールで入選する
- 自費出版
コンクールで入選する
絵本のコンクールの中には、入選すると絵本を出版できるコンクールもあります。
絵本のコンクールについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
自費出版
絵本を出版する方法として、自費出版があります。
自費出版は、自分で費用を払って出版する方法です。
自費出版は、コンクールで入選するよりもかんたんに絵本を出版できる方法ですが、費用がかかるのがデメリットです。
絵本を出版したいけれど、費用がかかるのが気になるという人におすすめなのが、「Kindleでの電子書籍出版」です。
Kindleでは、電子書籍で絵本を出版することができます。
Kindleで絵本を出版する場合は、費用をかけずに絵本を出版することができます。
Kindleでの絵本の出版方法については、下記の記事で詳しく紹介しています。
本記事では、絵本を作ったことがない人向けに、自作絵本の作り方を紹介しました。
絵本作りは、かんたんではありません。
いざ、作りはじめても、途中であきらめたくなることもあります。
けれど、絵本が完成したときは、他ではなかなか味わえないうれしさがあります。
もし、絵本を作りたいけれど、まだ作れていないという人は、ぜひチャレンジしてみてほしいです。
本記事が、絵本を作りたいと思っている人の参考になればうれしいです。
最後まで、ご覧いただき、ありがとうございました。
以上、「【趣味で絵本作り】自作絵本の作り方まとめ~手作りの絵本を作る手順を紹介~」 でした。
[…] 絵本制作の全体の手順は、 【絵本の作り方】自作絵本の完成までの手順まとめ にまとめています。 […]
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