絵本を作るためには、絵を描くだけではなく、「描いた絵を印刷して製本する」といった作業が必要になります。
描いた絵を印刷するために使うのが「プリンター」です。
プリンターを使わずに、紙や鉛筆だけで絵本を作ることもできますが、紙に絵を描く場合でも、パソコンで加工する場合にはプリンターがあると便利です。
本記事では、自作絵本を作ってみたいという人向けに「プリンターの種類」、「おすすめのプリンター」について紹介します。
- 絵本を作りたい人
- どんなプリンターがいいのか迷っている人
- プリンターが必要なのかわからない人
すぐにおすすめプリンターを確認したい人は、下記のボタンをクリックしてください。
プリンターは、パソコンに保存されている「絵」や「文字」などのデジタルデータを紙に印刷するための機器です。
プリンターを使うと、「JPG」、「PNG」、「PDF」といったファイル形式のデジタルデータを紙に印刷することができます。
絵本を作る際は、「パソコンを使って描いた絵」や「スキャナを使って取り込んだ絵」を紙に印刷するために使います。
「イラスト」や「文章」を紙に印刷したいとき、プリンターが必要になります。
最近は、コンビニなどにも置いてあるプリンターでも印刷することができます。
しかし、「印刷のためだけに行くのは大変」、「何回も行かないと行けない」といった不便もあります。
もし、家にプリンターがあった場合は、「印刷したいときにすぐに印刷できる」というメリットがあります。
印刷したいときにすぐに印刷できるので、効率的に作業ができるようになります。
プリンターには、下記の3つのタイプがあります。
- ★インクジェットプリンター
- レーザープリンター
- ドットインパクトプリンター
絵本制作におすすめなのは、「インクジェットプリンター」です。
インクジェットプリンターがおすすめの理由と、それぞれのプリンターの特徴を紹介します。
★インクジェットプリンター
インクジェットプリンターは、液体のインクを用紙に直接吹きかけて印刷するプリンターです。
インクを吹き付ける「ヘッド」を左右に動かし、少しずつ印刷を行います。
このため、印刷のスピードはそこまではやくないです。
インクジェットプリンターは、他のタイプのプリンターに比べて解像度が高いのが特徴で、絵や文字をきれいに印刷することができます。
家庭用として販売されているプリンターは、ほとんどがインクジェットプリンターです。
きれいに印刷することができるため、絵(イラスト)の印刷に向いており、絵本制作にもおすすめのプリンターです。
- 絵(イラスト)や写真を印刷したい人
- 印刷スピードよりも、印刷のきれいさを重視する人
レーザープリンター
レーザープリンターは、「トナー」と呼ばれる粉状の色材を吹き付けた「感光体(ドラム)」を用紙に押し付けて印刷するプリンターです。
「感光体」に写し出した印刷イメージを用紙に押し付けて印刷するため、印刷スピードがはやいのが特徴です。
会議資料など、一度にたくさんの枚数を印刷することが多いビジネスシーンに適したプリンターです。
- 一度にたくさんの枚数を印刷したい人
- 印刷のきれいさよりも、スピードを重視する人
ドットインパクトプリンター
ドットインパクトプリンターは、機器に搭載されたピンを押し付けて印刷するプリンターです。
基本的には文字を印刷するためのプリンターで、「伝票」や「送り状」などの専用フォーマットの用紙に印刷するために利用します。
- 「伝票」や「送り状」などの専用フォーマットの用紙に印刷したい人
プリンターには、印刷機能以外にも「コピー機能」や「スキャン機能」などが付いているものがあります。
印刷機能以外の機能も付いているプリンターは「複合機」と呼ばれます。
複合機のことをプリンターと呼ぶこともあります。
複合機の方がいいの?
どうせ買うなら、印刷機能以外にもたくさんの機能がついていた複合機の方が良いと思うかもしれません。
確かに、たくさんの機能がついていることは魅力的ですが、次の2点を注意する必要があります。
- 印刷機能のみのプリンターに比べて大きく・重いものが多い
- 印刷機能のみのプリンターに比べて価格が高い場合がある
印刷機能のみのプリンターに比べて大きく・重いものが多い
複合機は、印刷機能のみのプリンターに比べてサイズが大きく、さらに重いものが多いです。
オフィスでの利用の場合であれば、サイズや重さはそこまで気にならないかもしれません。
しかし、家庭での利用の場合は「部屋の大きさ」や「レイアウト」も意識した上で、プリンターを選ぶ必要があります。
また、重いプリンターは一人で動かすのが大変な場合があります。
プリンターを購入する際は、機能だけではなく、「サイズ」や「重さ」についても確認しておくことがおすすめです。
印刷機能のみのプリンターに比べて価格が高い場合がある
複合機は、印刷機能のみのプリンターに比べて、価格も高くなる傾向があります。
価格は、メーカーや機種によって異なります。
プリンターは種類も多く、どれがよいのか迷ってしまうことも多いです。
何も決めずに買いに行くと、言われるがままに店員さんのおすすめのプリンターを買ってしまうなんてこともあります。
「必要な機能は何なのか?」「印刷機能以外もほんとうに必要なのか?」を購入前に考えるのがおすすめです。
スキャン機能とスキャナー
スキャン機能とは
複合機についている印刷以外の機能は、ほとんど絵本作りには不要ですが、1つだけ必要な機能があります。
それは、「スキャン機能」です。
スキャン機能は、紙にかいた「絵」や「文字」などを、デジタルデータとしてパソコンに取り込むための機能です。
スキャナー
同じようにスキャン機能がある機器に、「スキャナ」という機器があります。
こちらは、プリンターや複合機とは異なり、印刷機能がないスキャナ機能だけの機器です。
プリンター、複合機、スキャナーは、結局何が必要?
絵本作りにおいて、パソコンを使わない場合はスキャン機能やスキャナは不要となります。
ただ、パソコンを使った方が微修正や編集などが楽になるので、個人的にはパソコンを使うのがおすすめです。
パソコンを使って絵本を作る場合は、下記の2パターンのどちらかになります。
- プリンター + スキャナー
- 複合機
1つ目は、プリンター + スキャナーを使う場合です。
この場合、プリンターは、印刷機能だけのものでも大丈夫です。
2つ目は、複合機を使う場合です。
この場合は、印刷機能とスキャナ機能があるものを選ぶ必要があります。
おすすめのプリンター、複合機については以降で紹介します。
スキャナについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
スキャナーや複合機を使うのがおすすめですが、別の方法を知りたいという場合には、下記の記事でスマホを使った方法についても紹介しています。
絵本制作のためにプリンターを選ぶ際、機能以外に気にしておく必要があるのが「最大印刷サイズ」です。
最大印刷サイズによって、プリンターを使ってどの大きさの紙まで印刷できるかが決まります。
絵本制作には、「A3ノビ」まで印刷できるプリンターがおすすめです。
A3ノビってどんなサイズ
A3ノビと聞いても、どんなサイズかピンとこない人が多いかと思います。
A3ノビについて、詳しく説明していきます。
A判(A0〜A12)
市販の紙にはさまざまなサイズがありますが、A判とB判の大きく2つに分かれています。
A判はA0〜A12までのサイズがあり、A0が最も大きく、A12が最も小さいサイズです。
また、A11はA12の2倍の大きさといったように、ひとつサイズが大きくなるごとに2倍のサイズになっていきます。
A0〜A12までのサイズは、次の表のとおりです。
種類 | サイズ(縦 × 横) |
---|---|
A0 | 841mm × 1189mm |
A1 | 594mm × 841mm |
A2 | 420mm × 594mm |
A3 | 297mm × 420mm |
A4 | 210mm × 297mm |
A5 | 148mm × 210mm |
A6 | 105mm × 148mm |
A7 | 74mm × 105mm |
A8 | 52mm × 74mm |
A9 | 37mm × 52mm |
A10 | 26mm × 37mm |
A11 | 18mm × 26mm |
A12 | 13mm × 18mm |
A3とA3ノビ
A3ノビは、A3をもとにしたサイズで、A3よりも少し大きいサイズです。
A3が「297mm × 420mm」に対して、A3ノビは「329mm × 483mm」となっており、A3サイズよりも「+32mm、+63mm」大きくなっています。
種類 | サイズ |
---|---|
A3 | 297mm × 420mm |
A3ノビ | 329mm × 483mm (+32mm × +63mm) |
A3ノビについては、「329mm × 483mm」が一般的なサイズですが、メーカーや機種ごとにサイズが異なる場合があります。購入の際は、対象機種がどのサイズまで扱えるのか確認するのがおすすめです。
A3ノビって必要?
A3ノビが必要なのは、A3サイズぴったりに印刷するためです。
紙に印刷をする場合は、紙の大きさぴったりに印刷することが難しく、周りに余白が必要です。
もし、A3サイズの紙に、A3サイズぴったりの絵を印刷した場合、端っこの方が切れて印刷されてしまうことがあります。
A3ノビは、A3よりも少し大きめのサイズです。
このため、A3ノビの紙にはA3サイズの絵がすっぽりと収まるため、A3サイズぴったりに印刷することができます。
A3ノビまで印刷できるプリンターがおすすめな理由
A3ノビまで印刷できるプリンターがおすすめな理由は、次の2つです。
- 大きいサイズの紙を印刷できれば、幅広いサイズの絵本を作れる
- 家庭で利用するプリンターではA3ノビが最も大きいサイズである
大きいサイズの紙を印刷できれば、幅広いサイズの絵本を作れる
大きいサイズの紙を印刷できれば、より幅広い絵本を作ることができます。
絵本の絵を印刷する際は、見開きで印刷することが多いです。
見開きは絵本を開いた状態のことで、絵本のサイズの2倍の大きさになります。
このため、紙に印刷する際は、絵本の大きさの2倍のサイズが必要になります。
たとえば、A5サイズ(148mm × 210mm)の絵本を作る際は、A4サイズ以上で印刷する必要があります。
A4サイズまでしか印刷できないプリンタの場合は、A5サイズ(148mm × 210mm)以下のサイズしか作れないませんが、A3ノビサイズが印刷できるプリンタの場合は、A4サイズ(210mm × 297mm)まで作ることができるようになります。
家庭で利用するプリンターではA3ノビが最も大きいサイズである
家庭向けのプリンターでは、A3ノビサイズが印刷可能な最大サイズです。
それ以上の大きさが印刷できるプリンターもありますが、業者向けであったり、大きさがかなり大きいプリンターになります。
絵本制作には、絵(イラスト)の印刷がきれいにできる「インクジェットプリンター」がおすすめです。
また、できるだけ大きいサイズで印刷できる方がいいため、「A3ノビまで印刷できるプリンター」がおすすめです。
ここでは、「インクジェットプリンター」かつ「A3ノビまで印刷できるプリンター」の中で、おすすめのプリンターを紹介します。
印刷機能のみのプリンター、印刷機能以外も付いている複合機、それぞれのおすすめを紹介します。
【印刷機能のみ】性能重視のPIXUS PRO-S1
印刷機能のみのプリンターの中で、性能重視の方におすすめなのは、CANONの「PIXUS PRO-S1」です。
「PIXUS PRO-S1」は、8色のインクを使えるプリンターです。
8色のインクを使うことにより、透明感のある鮮やかな色彩と、深みのある色を表現できます。
タイプ | インクジェット |
機能 | 印刷機能のみ |
最大印刷サイズ | A3ノビ |
最高解像度 | 4800(横)×2400(縦)※1 |
インクタイプ | カートリッジ式 |
インク色数 | 8色 |
サイズ(幅×奥行×高さ) | 約639×379×200(mm)※2 |
重さ | 約14.1kg |
価格 | 6万円台 ※3 |
※1: 最小1/4800インチのドット(インク滴)間隔でプリント。
※2: 収納時のサイズです。
※3: 価格は、2023年2月時点でのAmazonでの販売価格を参考にしています。
【印刷機能のみ】価格重視のPIXUS iP8730
印刷機能のみのプリンターの中で、性能重視の方におすすめなのは、CANONの「PIXUS iP8730」です。
「PIXUS iP8730」は、A3ノビが印刷可能なプリンタの中ではかなり安価な2万円台で購入が可能なプリンターです。
また、サイズもコンパクトで、重さも約8.5kgとA3ノビが印刷可能なプリンタの中ではとても軽いです。
タイプ | インクジェット |
機能 | 印刷機能のみ |
最大印刷サイズ | A3ノビ (322.2mm × 475mm) |
最高解像度 | 9600※1(横)×2400(縦) |
インクタイプ | カートリッジ式 |
インク色数 | 6色 |
サイズ(幅×奥行×高さ) | 約590×331×159(mm) |
重さ | 約8.5kg |
価格 | 2万円台 |
※1: 最小1/9600インチのドット(インク滴)間隔でプリント。
※2: 収納時のサイズです。
※3: 価格は、2023年2月時点でのAmazonでの販売価格を参考にしています。
【複合機】性能重視のEW-M973A3T
複合機の中で、性能重視の方におすすめなのは、EPSONの「EW-M973A3T」です。
「EW-M973A3T」は、「印刷機能」以外にも「コピー機能」、「スキャン機能」、「スマホ操作機能」などを搭載した複合機です。
6色のインクで、「広い色域による鮮やかなカラー表現」、「色転びの少ない、豊かなトーンのモノクロ表現」が可能です。
複合機としてはコンパクトなサイズで、重さも比較的軽量です。
また、インクが「カートリッジ式」ではなく「タンク式」のため、カートリッジ式のものよりも低コストで印刷できるのも特徴です。
タイプ | インクジェット |
機能 | 印刷機能のみ |
最大印刷サイズ | A3ノビ (329mm × 483mm) |
最高解像度 | MACH方式/5,760×1,440dpi ※1 |
インクタイプ | タンク式 |
インク色数 | 6色 |
サイズ(幅×奥行×高さ) | 523×379×169(mm)※2 |
重さ | 約11.1kg |
価格 | 8万円台 ※3 |
※1: 最小1/5760インチのドット間隔でプリント。
※2: 収納時のサイズです。
※3: 価格は、2023年2月時点でのAmazonでの販売価格を参考にしています。
【複合機】価格重視のビジネスインクジェット PX-M6010F
複合機の中で、価格重視の方におすすめなのは、EPSONの「ビジネスインクジェット PX-M6010F」です。
「ビジネスインクジェット PX-M6010F」はビジネス向けのインクジェット複合機です。
ビジネス向けですが、家庭向けと同様に利用は可能です。
「印刷機能」以外にも「コピー機能」、「スキャン機能」などが搭載されています。
価格が3万円台と比較的安価な機種です。
サイズが少し大きめなのと、他のおすすめプリンタに比べて少し重いのが気になるところですが、その辺りは気にせずに価格重視という方にはおすすめのプリンターです。
タイプ | インクジェット |
機能 | 印刷機能のみ |
最大印刷サイズ | A3ノビ (329mm × 483mm) |
最高解像度 | 4,800×2,400dpi ※1 |
インクタイプ | カートリッジ式 |
インク色数 | 4色 |
サイズ(幅×奥行×高さ) | 収納時:515×450×285(mm) |
重さ | 約17.8kg |
価格 | 3万円台 |
※1: 最小1/4800インチのドット(インク滴)間隔でプリント
※2: 収納時のサイズです。
※3: 価格は、2023年2月時点でのAmazonでの販売価格を参考にしています。
本記事では、自作絵本を作ってみたいという人向けに、絵本制作に使用するプリンターについて紹介しました。
プリンターにはいくつかの種類がある中で、絵本制作におすすめなのは「インクジェットプリンター」です。
また、絵本制作には「A3ノビまで印刷できるプリンター」がおすすめです。
「インクジェットプリンター」かつ「A3ノビまで印刷できるプリンター」の中で、おすすめのプリンター4つを紹介しました。
- 印刷機能のみのプリンター 性能重視
PIXUS PRO-S1 - 印刷機能のみのプリンター 価格重視
PIXUS iP8730 - 複合機 性能重視
EW-M973A3T - 複合機 価格重視
ビジネスインクジェット PX-M6010F
はじめて自作絵本を作る場合は、どのようにはじめたらよいのか、どんな道具が必要なのか、わからないことも多いかと思います。
本記事が、自作絵本を作りたいという人の参考になればうれしいです。
以上、「【絵本制作ツール】プリンターの種類とおすすめのプリンター」でした。